2022-02-05 サーカスを見に行く(CAMILLE BOITEL, SÈVE BERNARD)
昨日の舞台はすごく面白かった。
フランスは国立の学校があるくらいにサーカスが盛んなのだけど、最新のサーカスはアクロバットや動物、ピエロが出てくるといった従来のイメージとはかけ離れているものも多くある。コンテンポラリーダンスにも通づる身体を使った演劇のようなものだったり、そこに舞台美術の仕掛けが加わったり、時には建築や哲学や物理法則など色んな要素が組み込まれている。
https://youtu.be/eDudw_xPEdw
https://youtu.be/WCh-G452Mao
これからこの分野がどうなっていくのかちょっと楽しみかもしれない。
昨日の作品は、まるで手作りみたいな照明や舞台転換、緞帳を開けたり閉めたり互い違いになっちゃったりして笑わせつつ、その画面の切り取り方は黒澤映画の場面転換の絞りを彷彿とさせたり。
一番驚いたのは、作品の途中からどんどん舞台の床が壊れていって、そこに机や椅子、人も落ちたり、落としたりする。床板の端っこに人がいればもう片方は跳ね上がる、そしてすぐ脇の床はすでに落ち込んでいる。スリリングでもあり可笑しみもあって、感情というか全身の筋肉がこちらも忙しかった(びっくりしたり緊張したりもするからという意味で)
最後には劇場の建込み前のような状態の上にカオスが出来上がっている。
終演後、出演の方の飲み会に混ぜてもらって色々話ができて嬉しかった。聞きたいことがたくさんあったから、お疲れのところをつかまえて弾丸のように質問してしまった。
あとから聞いてやはりそうかと思ったのは、初日だったこともあってか失敗が多かったらしい。
ちょっと雑然としているな、ここのシーンの混乱は狙い通りなのか否か?と訝しく思うシーンも確かにあったのでそういうことだったのだろうが、でもそれでもなお、ひとつひとつのシーンで見せようとしている世界観や感触は興味深いものであったし、全体を通してわくわくさせられた。
そういう舞台体験を最近なかなかしないので嬉しかった。
あと、自分が「演じる/作品とはここまで」としていた枠をもう少しはみ出ること、壊すことを考えてみたいと思ったことも収穫。
まだしばらくモントルイユの劇場で公演してるので是非。サーカスのイメージが覆ると思う。おすすめ。
https://youtu.be/F1kcKJKgN0c
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良いフランス語の批評があった。ちょっと表現が難しくて全部は分からなかったけれど。
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